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「トレーダー・ジョーズとエンターテインメント」


 

 トレーダー・ジョーズは、「スーパーマーケット」(SM)と「コンビニエンスストア」(CVS)と「こだわりの食料品店」の3つの特色を持った異色の食品業態です。

 会社の概要は次の通りです。

 また、トレーダー・ジョーズのキャッチフレーズは次の4つです。


 トレーダー・ジョーズは、1958年にロサンゼルスで、ジョー・クローム氏がコンビニエンスストアとして開発し、1979年にドイツのアルベレヒト・ファミリーの投資会社に売却されています。

 ジョー・クローム氏は、コンビニエンスストアを営業していましたが、経営的にうまくいかず、その打開策として、世界中の酒(ワイン)とその関連商品(チーズ、ベーコン、スナック…等のつまみ類)を世界から調達して、「世界の酒とその関連食品の店」として再出発しました。たまたま、ジョー・クローム夫婦は旅行好きかつグルメ志向であったため、ヨーロッパへ旅行に行き、世界のグルメ食品や珍味の食品を知っていました。そこで、趣味と実益を兼ねてスーパーマーケットとコンビニエンスストアとこだわりの食料品をミックスした新業態を開発し、後に、投資家に売却してチェーン展開をしています。

 トレーダー・ジョーズは、健康(ヘルシー)でグルメ(おいしい)かつ価格を抑えた食品や飲みものを売り、かつ、世界のグルメや珍味をセレクトして販売する食品業態(異国情緒あふれる食料を提供する店)となりました。チェーン展開するにあたり、品揃えを充実させるためには、単に外国から仕入れるだけでは対応出来ないことからPB商品(プライベート・ブランド=トレーダー・ジョーズが企画・製造あるいはトレーダー・ジョーズ用に製造)を充実させています。それでも、取扱いアイテムは2,000SKU程度(通常のSMは3万SKU)と限定された品揃えです。

 今、日本ではコンビニエンスストアが飽和状態(?)になり、新規ターゲットの獲得(男性かつヤング中心から女性かつシニアへの拡大)や新規ニーズの獲得(雑貨かつ加工食品中心から生鮮食品や健康食品の付加)にしのぎを削っています。アメリカでも1970年代〜1980年代のコンビニエンス業界は激しい競争と利便性という優位性が希薄化して、1990年代には大手4社が倒産しました。このような競争状態の中で、ジョー・クローム氏はコンビニエンスストアに見切りをつけて、新しい業態に挑戦したのが、今のトレーダー・ジョーズです。

 トレーダー・ジョーズのキャッチフレーズの「おいしくなければならない!!」と「安くなければならない!!」は、今日の流通業界では定番化(常識化し、勝ちパターンではなくなっている)していますが、1970年代〜1980年代には、まだまだ、成果のある要因でした。次いで「健康でなければならない!!」は、正に、現在の食品業界の一番注目されている要因ですが、1970年代〜1980年代ではまだニッチな要因でした。その意味において、ロハスの概念を持った初期の企業と言うことが出来ます。さらに、「珍しくなければならない!!」は、競争激化時代及び生活者の学習経験が終焉した時代に、生活者が一番興味を持つ要因です。

 珍しい商品のマーケットは大きくなく、むしろニッチ化していますが、健康に気を使い、グルメな食品を手頃な値段で販売するMDingの中で、常に"新(珍)"を提供することは抜群の効果があります。すなわち、非日常食品を売るのではなく、日常食品の中の"新"として珍品を売る仕組みの確立は、世界中から珍しい食品を集めるという困難さを、PB化(85%がPB商品)することにより実現させています(また、バイヤーが世界中から、お値打ちで面白い商品を探し出しています)。今、食品業界では、「鮮度」「グルメ」「安さ」は、定番化(必要だけど、今後の成長戦略にとっての武器としては希薄化)され、「健康」が新しい切り口となり、さらに、「珍しいもの、他の店にはないもの(ユニーク商品)」を手頃な値段で売る日常の中の"新"が、次の新しい切り口となります。きめ細かいMDingも大切ですが、きめ細かくなくても、客を注目させるMDingも大切です。また、トレーダー・ジョーズは、教育程度が高く、旅行経験が豊富で、しかし、収入は必ずしも多くないが、洗練された味覚を持った人々をターゲットとしています。


 
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