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地域のディベロッパーが開発したリージョナル型SC
おのだサンパーク


 

1.おのだサンパークの概要

 山口県山陽小野田市にある、地域に根ざしたデベロッパーである小野田商業開発鰍ェ、山口県内最大級となるモール型RSC「おのだサンパーク」を2008年5月30日にリボーンさせた。その概要は、以下の通りである。

<計画概要>

 おのだサンパークの位置する山陽小野田市は、西の商業地「下関」中心市街地から直線で20q、東の商業地「山口」中心市街地から直線で35qと離れている。この閉鎖的かつ独立型立地の山陽小野田・宇部エリアの35万人のマーケットに対して、新たな時代に見合った規模と機能と魅力を備えたSCづくりの挑戦が、おのだサンパークのリボーンオープンである(おのだサンパークは1997年に増床リニューアルを行っており、今回のリニューアルは2回目であり、かつ、全く生まれ変わったリニューアルであることから、リボーンという言葉を使っている)。

2.おのだサンパークの事業スタンス

(1)地域に根ざした独立系デベロッパーが開発したRSC
 おのだサンパークのデベロッパーである小野田商業開発鰍ヘ、1980年に行政及び商工会議所の積極的な協力を得て、市民及び生活者の長年の要望を実現すべく、SCデベロッパーとして28年前に誕生した。その意味で、大手不動産業者や大手流通業者が手掛けるSCデベロッパーではなく、地域に根ざした独立系デベロッパーと呼ぶことができる。おのだサンパークのリボーンの事業スタンスの特徴は、この地域に根ざした独立系の地域主導型デベロッパーが、大型SCとしてのリージョナル型SCを開発したことである。営業面積38,000u、テナント数140店舗、モール型SCは、まさに新しい時代のRSCであり、地域主導型デベロッパーが手掛けたことは希有な存在である。

(2)時代の変化に対応した進化するSCづくり
 おのだサンパークは1983年にGMS(寿屋)と専門店が一体化し、営業面積17,000uのCSC(コミュニティー型SC)として誕生した。旧小野田・宇部エリアで唯一のSCとして独り勝ちのポジショニングであったが、よりパワーアップするため1997年(オープン14年目)にGMS(寿屋)とディスカウントストア(ミスターマックス)の2核体制・営業面積24,300u、全館リニューアルのスーパーCSC(CSCをパワーアップしたSC業態)として再出発した。さらに、11年後(オープン25年目)に、競合SC(フジグラン宇部、ハイパーモール宇部、ゆめタウン宇部)がほぼ同規模で続々と進出して同質競争が起こり、おのだサンパークの一番店型SCの位置づけが希薄化し、売上高も低迷した。そこで、再度、山陽小野田・宇部エリアの独立型マーケットの中で、名実とも規模及び機能と魅力で一番店型SCとなるモール型RSCをリボーン計画として実現させたのである。おのだサンパークは、単に規模一番店というだけでなく、140の専門店をレーストラック型モールで配置するモール型RSCの形態を取っている。この形態は、ローカル立地では珍しいが、しかし、ローカル立地の独立型マーケットでは最適最強のSC業態である。このように、おのだサンパークは、常に時代の変化に対応し、ホップ→ステップ→ジャンプと進化するSCづくりを行っている。本来SCは、商店街とは異なり、時代に対応して規模や業態ミックスやテナントミックスを変化させていくのがSCの長期繁栄体制づくりであり、まさに、おのだサンパークは進化しているSCと言うことができる。

3.おのだサンパークの特徴

(1)地域密着型RSC
 通常、大手デベロッパーが開発するモール型RSCは、営業面積50,000〜80,000uであり、商圏人口は60〜80万人を必要とする。おのだサンパークのSC業態は、「地域密着型RSC」と呼ぶことができる。地域密着型RSCは、大手デベロッパーの開発するモール型SCより規模的には小さいが、より小商圏立地で、RSCの持つ機能や魅力をすべて持つSCのことを言う。また、大手デベロッパーが進出できないマーケットで、地域密着型RSCは最適・最強のSCでもある。

@おのだサンパークは、GMS(フジグラン小野田)と専門店140店が一体となり、営業面積38,000u、駐車台数2,200台を有するSCである。

Aおのだサンパークのテナントミックスは、山口県内初出店の40店舗を含み、地元で人気の県内専門店をミックスした個性豊かな140の専門店で展開している。

Bおのだサンパークは、モール型SCとし、回遊性を重視したレーストラック型モール(循環型モール)を用いたランブリング・ショッピング(散策しながらの買物)ができる手法を導入している。

Cおのだサンパークは、地域密着型RSCの名称通り、単に少頻度・広域・遊び型SCではなく、本来のCSCが持つ日常性ニーズを取り込みつつ、RSCのファッション性及び遊びニーズをも対象としている。

 以上のように、おのだサンパークは、大手デベロッパーが開発するRSCとほぼ同様の魅力と機能を持ち、商圏内の35万人の生活者を対象としている。

(2)ナンバーワンとオンリーワンの融合型SC
 おのだサンパークは山陽小野田・宇部エリアの閉鎖かつ独立型マーケットの中で、規模・機能・魅力においてナンバーワンの圧倒的勝ちパターンのSCづくりを行っている。おのだサンパークのコンセプトは、「生活密着の利便性といつもの暮らしにちょっとプラスのライフスタイルを提案」するSCであり、3つのナンバーワンを掲げている。

@日常性ナンバーワン
 圧倒的な専門店の数と徹底したアソートメントで、地域に暮らすお客様のデイリーライフを強力にバックアップするSC

Aファッション性ナンバーワン
 山陽小野田・宇部エリアの広域生活者に、これまでは満たしきれなかった旬のファッションやライフスタイルを提案するSC

B遊び心ナンバーワン
 訪れる人すべてに、健康・美・癒し・ゆとりを中心としたサービスや楽しみの場を提案するSC このように、おのだサンパークは、量的な満足であるナンバーワン(ここが一番大きい)戦略と質的な満足であるオンリーワン(ここしかない)戦略を融合させ、文字通り地域bPのSCづくりを目指している。

(3)レーストラック型モール
 RSCにとってモールは命である。NSCやCSCの日常性・利便性重視のSCとは異なり、地域密着性を維持しつつ、ランブリング・ショッピングのできるモールは、生活者にとってRSCの最大の魅力である。また、モールはRSCの最大の武器でもある。モールは、直線型(行って帰ってこい型)と循環型(回って元に帰ってくる型)があり、どちらも優劣つけがたいが、おのだサンパークは循環型レーストラック型モールを導入している。これは敷地条件的な面もあるが、直線型よりも回遊性を高めることを目的にしている。また、通路幅が最大10m、吹き抜けの高さを16m、床は大理石調の光沢あるタイルを敷き詰めた明るくて開放的な空間とし、また、2階通路はカーペットタイルを使用して、長時間歩いても疲れないモールとなっている。

(4)ヤングマインド志向のSC
 おのだサンパークのターゲット戦略は、多くのSCと同様にメインターゲットとして「平成ニューファミリー」(25〜49歳の親とその子供)であるが、サブターゲットを「昭和ニューファミリー」(50〜70歳のファミリー&パーソナル)と「ジュニア&ヤング」(10〜29歳)の両者に平等に対応している。本来なら、マーケット的に構成比の高い昭和ニューファミリーをサブターゲットに設定するべきであるが、山陽小野田・宇部エリアの上位レベルの商業地が、山口県内には下関市や山口市レベルで都市型商業地が希薄であるため、サブターゲットにジュニア&ヤングを導入している。都市型商業地の希薄なマーケットは、ヤングの流出先が存在しないために、通常以上のヤング志向マーケットが存在する。そのために、平成ニューファミリー及びヤングマーケットのヤングマインドターゲット戦略をとっている。ただし、熟年マーケットも多く存在するために、基本的にはフルターゲットのSCづくりを目指していることは言うまでもない。

(5)ライフスタイルセンターの要素を加えたSC
 ライフスタイルセンターは21世紀の最適業態として注目を集めているが、純粋ライフスタイルセンターの成立は、我が国では困難である。おのだサンパークは、ライフスタイルセンターの要素である「自然環境と建築デザインが融合したSC」、「地域コミュニティーの核となり、地域の交流の場・地域の顔となるSC」、「街づくりと融合したSC」をコンセプトとし、ライフスタイルセンターの持つ強みをRSCとしてのSC業態に導入している。具体的には、一部外部店舗を配置し、エンクローズドモールを基軸としつつオープンエアモールを付加するハイブリッド型モールを形成し、デザイン性を高めた空間づくり、いたるところにイスを置き、ゆとり感を演出し、隣接する池を利用したウォーターフロントイメージ、また、池を借景としたフードコート、地域bPの存在感のあるコミュニティー&コミュニケーションの場、豊富なサービステナントの導入、さらには販促活動等における地域の顔づくりなどにより、ライフスタイルセンターの良さを付加している。

(6)既存施設と新規施設を融合させたSC
 おのだサンパークはリボーン計画において、核店ゾーン(フジグラン小野田とミスターマックス)の施設はそのまま既存施設として残し、専門店ゾーンの施設は全面新築という新手法を導入した建築とした。フジグランは既存の施設を再利用して使用するためリボーン投資が少なくなることと、営業を継続しながらリボーン計画が進行するというメリットがある。RSCの命であるモール及び専門店は、全く新しい形に刷新するために全面建て替えとした。また、サブ核店であったミスターマックスは退店し、その建物は駐車場として利用した。このように、おのだサンパークは多くの制約の中で、核店の要望と新しい時代の勝ちパターンづくりのためのSCづくりの両面を考慮し、既存施設の再利用と新規施設の建設という施設のハイブリッド利用を見事に成し遂げている。

(7)核要素の変遷に対応したSC
 おのだサンパークがオープンした1983年の核要素(SCの集客の基軸となる業態)は、GMSであった。そのため、おのだサンパークはGMS(寿屋)を核店としたSCとしてスタートした。しかし、旧大店法の緩和・廃止に伴い、総合業態としてのGMSのみではSCの集客力は必ずしも十分ではなくなり、サブ核の必要性が高まった。それに対応して、1997年の増床リニューアルにおいては、バリュー志向の総合業態であるミスターマックスを導入し、2核体制のスーパーCSC(サブ核店を導入してパワーアップしたCSC)に脱皮した。しかし、現在は、総合業態はSCにとって必要ではあるが、核要素としてのパワーは低下し、むしろモール化した専門店がSCの核要素となってきた。
 すなわち、CSCのレベルでは専門店は核要素とはならず総合業態の補完的役割に過ぎなかったが、SCの命であるモールと専門店が一体化する事により、モール専門店が、総合業態に代わる核要素に成長した。もちろん、モール専門店が成立するためにはGMS等の総合業態が必要ではあるが、今風SCあるいはRSCではモール専門店の持つ規模や機能や魅力が集客の基軸となる。おのだサンパークは、今回のリボーン計画においては、同じエリアにミスターマックスが出店していることから、両者の思惑が一致し、総合業態を2店から1店とし、モール専門店を徹底強化した。そして、GMSとしてのフジグランには、日常性ニーズの掘り起こしと、隙間のないMDingを担ってもらい、文字通り総合業態としての得意分野を発揮する核店と位置づけた。このように、おのだサンパークはSCの核要素の変遷に対応して、時代時代の核店を導入し、新たな挑戦を行っている。

4.おのだサンパークの今後の課題

 おのだサンパークは山陽小野田・宇部エリアのナンバーワンのSCとしての位置づけを再確立し、集客力は著しく高まり、当初の役割を果たしている。しかし、いくつかの課題も存在する。それは、広域の集客力が強化された反面、足元客の集客が今一歩であり、また、ファッション性ナンバーワン、遊び心ナンバーワンは圧倒的な強さを持っているが、日常性ナンバーワンづくりが、今一歩なことである。今後は、地域密着性の徹底強化が、おのだサンパークの繁盛店づくりにとって課題である。


 
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