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ファストファッション・ルー21


 

 ファスト&チープファッションの「ルー21」がローカル及び所得の低いエリアで急成長し、09年度の売上高は5億2,560万ドル(前年比34.3%増)となっています。多くの小売業が苦戦した07年から09年に拡大を続け、2009年には株式を上場しています。現在、43州に565店を展開し、2010年度も100店を出店する予定です。

 社名の「ルー21」の由来は、「ルー」がフランス語のストリート、「21」は永遠に21歳でありたいというフォーエバー21と同じコンセプトです。価格帯は、10〜30ドル(中心価格帯は15〜20ドル)のウォルマートやターゲット並みで、H&Mやフォーエバー21やオールドネイビーよりやや下の価格です。ルー21は、不況で多くの店がモールから撤退する中、居抜きで出店して少ない投資で拡大してきました。人口5万人以下の地域の年収5万5,000ドル以下の商圏で、近くにあるウォルマートやターゲットのベーシックファッションには飽き足らない「ファッションに飢えた若い層」を主対象に顧客を広げています。

 フォーエバー21やH&Mやオールドネイビーが購買力のある都市部のRSCに出店しトレンドに敏感な層を対象としているのに対して、ルー21はカジュアル商品に絞った展開で、店舗規模も半分以下です(1店当たり平均年間売上高100万ドル程度)。

<以上の内容は、繊研新聞2010年6月21日号を参考にさせていただきました>

 今、アメリカではリーマンショック以降の不況期(だいぶ持ち直していますが…)に「トレードダウン」(より低価格の業態を選択すること)現象が起こり、総合業態で言うと、百貨店→PDS→DSへと消費が流れ、ウォルマートが最終的な受け皿となって漁夫の利を得ています。また、キャンパスファッションでも専門店のアバクロンビー&フィッチからエアロポステールへとトレードダウン現象が起こっています。

 ルー21が成長しているメカニズムは、このトレードダウンやバリュー志向によるものがありますが、基本的には次の通りです。

@ウォルマートやターゲットのような総合店しか成立しない小商圏立地で、ウォルマートやターゲットでは物足りないファッションニーズに対応している(フォーエバー21やH&Mが出店できないマーケットに立地)。

Aアメリカは先進国でありながら低所得層やルーラル(田舎)が異常に多く、商売としてはニッチであるが、マーケットとしてはマスなマーケットを対象としている。

B価格的にはウォルマートやターゲット並みだが、ファッション性やトレンド性はウォルマートやターゲットとフォーエバー21やH&Mやオールドネイビーの中間の位置づけにある。

C客の来店頻度は平均で週1〜3回と多頻度であり、またそのためにSCM(サプライチェーンマネジメント)が短く、トレンドに速く対応するため毎日新しい商品が投入されている。すなわち、小商圏商法は"売り切れご免商法"と店の鮮度を維持するための商品回転率の高い商法が求められ、ルー21は小商圏商法を見事に遂行している。

 以上のように、ルー21は「百貨店業態のコールズ」「GMS業態のしまむら」「ファストファッション業態のルー21」の位置づけに相当します。

 ウォルマートもしまむらも、低所得客かつ田舎客の商売としてはニッチなマーケットですが、まずニッチなマーケットに商品レベルや価格レベルを合わせ、そして彼らのニーズをライフスタイル化(尊敬の念を持って1つの生活スタイル化する)し、敵の参入障壁の高い状態でマスマーケット化して企業を拡大してきました。ルー21の近未来が楽しみです。


 
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