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ポップタウン住道 オペラパーク

 

 

<オペラパークの概要>

ポップタウン住道 オペラパークが、2010年(平成22年)10月5日に再生リニューアルオープンした。 ポップタウン住道は、1972年にダイエーを核店とするCSCとしてスタートし、繁盛SCとしての地位を確立したが、30年以上が経過し、時代の流れの中で長期低落化の道を歩んでいた。 そこで、38年ぶりに全面建て直しのリニューアルを行い、「高感性・地域密着RSC」として再生した。

1.オペラパークのSC業態 ポップタウン住道

 オペラパーク(以下オペラパーク)は、SCの業態として「高感性・地域密着RSC」というSC業態に設定した。この高感性・地域密着RSCを「高感性」「地域密着」「RSC」の3つに区別して逆から説明する。

(1)RSCとしてのオペラパーク

まず、オペラパークにおけるRSCの概念であるが、オペラパークは営業面積27,000u、旧館の1番館と5番館を含めても38,000uである(旧館とは、旧ポップタウン時代の一部を残した部分)。この営業面積38,000uの規模でなぜRSCという概念が当てはまるかというのは次の2つの要因がある。

@ 京阪百貨店(売場面積約10,000u)を核店として導入したこと

A 専門店テナントの数が130店舗(旧館含めると約150店舗)導入したこと

本来オペラパークの規模ならば、GMSあるいはメガストアを核店とするのが一般的であるが、オペラパークは百貨店をあえて核店として導入している。また、ディベロッパーである大川創業のテナント数100店舗に対し、京阪百貨店が郊外型百貨店モデルとして専門店集合型百貨店を形成し、百貨店の専門店数が約30店舗となり、顧客から見た専門店の顔ぶれは130店舗となっている。 この考え方は、ディベロッパーとしても独自テナント数が100店舗と少なく、かつオペラパークの商圏が多様なマーケットで支えられているため、専門店の店揃えを充実させる必要性が大川創業と京阪百貨店の双方で一致したため実現した。

(2)地域密着としてのオペラパーク

オペラパークの商圏は、JR学研都市沿線の戦略商圏まで含めると75万人期待でき、基本商圏としては半径3〜4q圏内に32万人が存在する人口密集エリアに立地している。そのような立地固有の特性を最大限発揮させるため、MDingとして次の4つの指針がある。

@京阪百貨店のデパ地下食品売場(バザール型販売方法)とダイエーのグルメシティ(SM型販売方法)の食品2核体制を導入した。

Aナショナルチェーンは京阪百貨店、地元ニーズ対応のリージョナルチェーンやローカルチェーンは大川創業がMDing的に担当し、住道のエリア特性を反映した「住道スタイル」のライフスタイルを導入した。

Bフィットネスクラブ コ・ス・パを導入し、身近な生活者のスポーツと健康に対応した。

C旧館に、ホームセンター、100円ショップ、ドラッグストア、クリニックセンター等を導入して、生活のベイシックニーズにも対応した。 オペラパークは、百貨店からナショナルチェーン、ローカルチェーン、さらには日常性の強いテナントを導入したフルニーズ対応型のSCであり、特に地域密着性は大きな柱である。

(3)高感性としてのオペラパーク

一般的に、地域密着性の強いSCは、感性の高いSCづくりとはいえない。しかし、オペラパークは、大東市の顔となるまちづくり型のSCであり、住民にとって自慢できるSC、さらには地域の人々のオアシスとなる憩いのSCを目指し、商環境の演出において感性の高いSCづくりを行った。その特徴は次の3点である。

@オペラパークの位置する大東市は、戦国時代にスペイン宣教師が伝道した土地で、オーナーの大川進一郎氏(大川創業社長)のスペインに対する愛着心が強く、商環境のコンセプトを「スペイン」とした。このヨーロッパ風デザインによって、周辺のアメリカ型デザインのRSCとの異質化を図り、棲み分けを可能にしている。

Aオペラパークは大東市の顔となる位置づけにあり、商店街と一体化した「まちなかSC」(街の中にSCがあり、SCの外に街がある)であるため、建物の外観はスペインのエル・エスコリアル修道院をモチーフにしている。外装も内向き型SCではなく、外向きの「街に溶け込む」、絵になる街の景色を創り出している。

Bオペラパークは「スペイン広場」や「赤門」等の地域コミュニティの場づくりとして、地域のオアシスとなる空間を随所に取り入れ、ライフスタイルセンターのコミュニティ&コミュニケーションの場づくりを住民の立場にたって導入している。 以上の内容を基に、SC業態の中でオペラパークのポジショニングは<図表2>の通りである。

2.オーナーの想いが実現したSC

オペラパークは大川社長の3つの想いを実現させたSCでもある。オペラパークは、1企業1SCの独立形態のSCであり、家族主義企業(家族経営と従業員も含めた家族的雰囲気の企業)である。 強力な大川社長のリーダーシップの中で出来上がったSCでもある。大川社長の3つの想いとは次の通りである。

(1)百貨店を誘致したいという想い 大川社長は、大東市の商業が他都市と比較して必ずしも優位にないので、大東市の顔になり、JRが学研都市線の拠点となるSCづくりを目指してきた。そのためには百貨店の誘致が不可欠であると考え、旧ポップタウン開発以来38年間、百貨店の誘致を夢見ていた。今回、京阪百貨店を誘致することにより、その想いが実現できた。

(2)スペインへの愛着という想い

大東市はスペインの宣教師と関係が深いという歴史的事実に加えて、アメリカの通貨ドルの単位表記が「D」ではく「S」である由来は、アメリカ独立時にスペインのような強国になりたいという願望からスペインの「S」をとっているという逸話がある。大川社長のスペインに対する個人的愛着は強く、今回のオペラパークでデザイン的に表現することになった。これは同時に、競争SCのアメリカ志向の環境演出に対するヨーロッパ(スペイン)志向の環境演出による棲み分けにもなっている。

(3)音楽愛好という想い

大川社長は、関西フィルハーモニー管弦楽団の代表を務めた経歴があり、現役のクラリネット奏者でもある。音楽愛好は「ポップ」「オペラ」等のSC名称にも表れている。オペラパークにおいては、パイプオルガンの設置や「オペラパーク楽友アンサンブル」の定期演奏会開催といった地域文化の向上にも役立つSCづくりを目指している。将来はオペラハウス建築もSC計画に含まれている。

3.オペラパークのマーケティング戦略

オペラパークは1企業1SCの独立系ディベロッパーのSCであり、大手ディベロッパーとは棲み分けを基軸としながら、独自の勝ち抜くための戦略を取っている。

(1)多様なターゲットにカスタマイズ化するSCづくり オペラパークのマーケットは基本商圏32万人、戦略商圏が75万人、ワーカーマーケットが5.9万人、ステーションマーケットが6.7万人、キャンパスマーケットが3.8万人と量的に多様であり、かつ質的には高所得者と低所得者の混合、若者・学生とファミリー・シニア層の混合、ブルーカラーとホワイトカラー層の混合、足元客と電車・バス利用者の混合…と、あらゆる客層が入り交じったマーケットである。それゆえに、郊外型SCのように特定の客層に絞り込むことではなく、多様なマーケットに幅広いMDingで対応し、そして地域密着ライフスタイル(住道スタイル)でカスタマイズ化(あなた好みのSCづくり)とするターゲット戦略を取っている。

(2)まちづくり型のSCづくり オペラパークは、JR住道駅から至近距離にあり、商店街がオペラパークを取り巻いている。その特徴は、おしゃれな雰囲気の商店街であること、大阪らしいにぎやかな商店街であることだ。この2つの側面を持つ商店街の中で、"街の中にSCがあり、SCの外に街がある"をキャッチフレーズにまちづくり型SCを目指している。

(3)もう1つあってほしいSCづくり

SC飽和期になり、どこに行ってもSCが存在する時代となった。しかし、同じタイプの同質競争では顧客は決して満足しない。 オペラパークは、コミュニティの中心としての商環境づくりや百貨店の導入という業態ミックス、地元に対応した住道スタイルの専門店街…等の大手SCとは異なり、顧客から見て両方ともあってほしいSCづくりを行っている。

(4)百貨店と専門店街がモールで一体化したSCづくり

ディベロッパーのテナントが100店舗あり、店数が今一歩少ないため、2階の百貨店ゾーンは百貨店独自の専門店と1つのモールを形成している。これは、将来の郊外型SCで、いかにも百貨店であるという売場へのモールからの回遊性、さらには1階の食品売場からの回遊性が悪いため、ディベロッパーの提案により百貨店と融合したモールづくりを行っている。日本の百貨店は自らの独自企画によるMDingを行っていないため、SC内での百貨店の成立性を高めるためディベロッパーと百貨店のコラボレーションノウハウが必要となる。これをDD同盟(ディベロッパー&デパートメントストア)というが、オペラパークにおいては、百貨店とダイエーの食品売場、ディベロッパーと百貨店の専門店売場のMDingにおいても・競存共栄の立場で行われている。

(5)プレイス"場"づくりを重視したSCづくり

オペラパークは地域のコミュニティの場あるいは井戸端会議の場、さらには地域のオアシスの場づくりのため「オペラパーク八景」の居場所づくりを行っている。その内容は、次の通りである。

<スペインほんのりトリップ気分>(オペラパーク八景)

フロア各所には"パティオ"感を演出する趣向が施されています。 お買い物の合間に、ぜひ探してみてください。

@回廊とアイアンワーク「模様の謎」(オペラパーク)
A赤門と銘文「入る者には平和を、去る者には安泰を」
B花の小径(赤門から出合いの広場まで)シュロ、季節の花
C噴水と母子像(川合畝久)の出合い広場
Dプラザフェスタとパイプオルガンと冨永直樹作「対話」の銅像(モデル:フランシスコ会カミシモ神父)
E噴水とシュロのスペイン広場
F女性石像のある糸杉・シュロ並木
Gアートギャラリー 4F「フィットネスクラブ コ・ス・パ住道」入口脇

(6)データベース・リーシングで行ったSCづくり

オペラパークのリーシングは、リーマンショックの影響で失われた日本経済の中で行われた。そのためリーシングにおいては、テナントにヴィジュアル志向の客観的データを付加するパンフレットではなく、「立地に良い悪いはない。立地がどのような特性を持っているかが大事である」との考え方に基づき、テナントに立地やマーケットの特性(どのような人が住んでいるのか?どのような生活をしているのか?どのような買物をしているのか?どのようなニーズを持っているのか?)を客観的なデータを示し、説明させていただいた。テナントからは、出店の判断になる、オープン後の営業に役立つとの評価をいただいた。これをデータベース・リーシング及びテナントマーケティング手法と呼んでいる。リーシングはギリギリまで行われたが、一応フル入居でオープンを迎えられた。

4.オペラパークの今後の課題

オペラパークは大手ディベロッパーではなく1企業1SCの独立系ディベロッパーによって成し遂げられたSCであり、地域に根差した独自路線のSCでもある。さらに、経済不況の中で次の時代の明るさを目指したSCであるため、総論的には正しくても各論では課題も多く、例えば次のような課題が潜在的にある。

@京阪百貨店の食品売場とダイエーグルメシティとの棲み分けはできているのか?
Aディベロッパーの専門店街と京阪百貨店のショップのモールの一体化において回遊性は確保できるのか?
B厳しい条件の中でのリーシングであったため、果たして適正なテナントが導入されているのか?
C大東市の顔となり地域のコミュニティの場となるようなモール&プレイスメイキングができているのか?
D地域に根差したきめ細かい運営・管理が独立系ディベロッパーでできるのか?
E食品売場とファッション売場のクロスMDingはできているのか?

どのようなSCにも課題は存在し、課題とは解決すべきものである。これらの課題解決が、オペラパークの今後の運営・管理の重要な仕事である。 いずれにしても、オペラパークは大川社長の強力なリーダーシップのもとできあがった想いを実現したSCである。


 
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