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アメリカ熟年ファッションの進化版

「チコズ」と「トミーバハマ」




 

 アメリカの熟年ファッション専門店は、多核・モール型RSCのみならずライフスタイルセンターやタウンセンターに出店し、一大マーケットを形成しています。日本では多核・モール型RSCのテナントとしては著しく少なく、出店しても退店したケースが多く、SCの中では熟年ファッション専門店は成立困難で、百貨店の売場で展開されるのが一般的です。アメリカでも昔は百貨店やGMS業態の総合業態の中で熟年ファッションニーズが対応されていましたが、今や、多核・モール型RSCやライフスタイルセンター、タウンセンターの定番テナントとして出店しています。

 日本の個人金融資産1,500兆円の70%以上を50歳以上のシニア層が所有しています。このシニア層が所有する個人金融資産を流動化して、経済及び流通に波及させることが今後の生活大国による日本経済の発展にとって重要です。そのためには、政治上の政策も必要ですが、売り手としての流通業者の創意工夫も重要です。

 アメリカには「チコズ」「コールドウォータークリーク」「Jジル」「トミーバハマ」「タルボッツ」「ジョス・A・バンク」「ソーマ」「バナナリパブリック」…等の熟年専門店業態があります。

 この中で、「チコズ」と「トミーバハマ」が日本の熟年マーケットに対応できるモデルとなる熟年専門店業態と言えます(六車流:流通理論)。

 熟年マーケットの2大キーワードは「エイジレス化(年齢間の同質化)」と「アンチエイジ(加齢防止)」です。 年をとると若々しく見せたい(アンチエイジ化)とか、今のシニアは気が若く元気でありヤングアダルト層との年齢的な差は少ない(エイジレス化)といった志向がシニアマーケットには確実にあります。しかし、いくら若々しく見せたい、年齢の差はないといった概念に基づいても、やはりシニアはシニアであり、若者とは根本的な固有の差があります。

 そこで第3のキーワードとして「エイジング(年齢相応)」が登場します。エイジングとは、年をとることは人間固有の特性(若者の特性と同様に、年配者の特性)であり、その特性を活用し、若者には真似のできないファッションライフスタイルを提案することです。

 @チコズは45〜75歳までをターゲットにする「アップスケールな価格帯の女性ファッション専門店」です。コットン、リネン、シルクなどの自然素材を使用し、「カジュアル&スタイリッシュ」をテーマとしながら、やや民芸調のデザインが特色です。エイジレス化・アンチエイジ化とエイジング化が融合した熟年ファッションの専門店です。

 Aトミーバハマは50〜75歳のベビーブーマーを核に熟年者全体に向けての「アップスケールなリゾートウェアやアクセサリー」の店です。店内はバハマ邸宅風のデザインの店です。トミーバハマもチコズと同様に、エイジレス化・アンチエイジ化とエイジング化が融合した熟年ファッションの専門店です。

 このチコズとトミーバハマの共通点は次の通りです。

 @アップスケールな熟年ファッション専門店であり、上質感とワンランク上の価格帯を形成した熟年業態です。

 A若々しさを強調するエイジレス化、アンチエイジ化と、年相応を強調するエイジング化が融合した熟年業態です。若者には真似のできない熟年固有の特性を活用した専門店です。

 Bチコズは自然素材の使用や民芸調のデザインを用い、熟年用のおしゃれさと熟年用のライフスタイルを強調しています。また、トミーバハマもリゾート風の独特なデザインを有する個性ある熟年ファッション専門店です。

 ある40代女性(日本人)が、チコズの服を熟年になったら一番着たくないファッションと評価しました。その女性は、40代の熟年になる前の年齢であり、チコズは熟年にならないと理解できない業態を特性として持っているからではないかと思います。つまり、シニアが熟年を「さとり」、熟年を誇りに想う(熟年をプライドと想う)ことが理解できなければ、チコズやトミーバハマの良さはわかりません。


 
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