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「アメリカン・ガール」



 

 アメリカの玩具業界を「楽しさ軸」(エンターテインメント)と「教育軸」(エデュケーション)でマトリックス化すると次のようになります。



 このマトリックスで、エデュケーション軸(教育志向)で一番で、かつエンターテインメント軸(楽しさ志向)でも一番の玩具の店(少女向けビジネス)に位置しているのが、「アメリカン・ガール」という高級人形の店です。シカゴで生まれ、今、ニューヨークとロサンゼルスに出店しています。1人の主婦が始めた少女向けビジネスは、今や3億ドル以上の売上を誇るまで成長しています。その内容は次の通りです。

@対象者は、7歳から12歳の女の子をターゲットにしています。

A6人の女の子の人形の物語をつくり、全て人形の主人公が育った時代が違い、その時代のライフスタイルを表現しています。 その6人の女の子の人形の主人公は次の通りです。

 ○SAMANTHA(1904年)    ○KIRSTEN(1854年)      ○FELICITY(1774年)
 ○KAYA(1764年)        ○JOSEFINA(1824年)     ○ADDY(1864年)

B少女のみならず、親と祖父母のお気に入りのショップです(少女らしい人形と教育性が親と祖父母に受けています)。

 アメリカン・ガールズは、さまざまな時代に育った9歳の少女を主人公とするシリーズ本と、読者の少女たちがその物語に沿った遊びができるよう歴史を忠実に再現した衣装品を身につける演出と、それぞれの物語の主人公たちの人形を思いつき、「商品を売っているのではなく、物語を売っているのです」と主張する玩具専門店です。ノスタルジーと少女らしさと本物志向を訴えた、まさにエンターテインメントとエデュケーションの融合玩具業態です。

 アメリカン・ガールは、学校の教師だった「プレザント・ローランドさん」がシカゴで1号店を開店させました。 ローランドさんは次のように考えました。

 今の少女達は、強い女性になりなさい、自分の選んだ道で成功しなさいという自立を奨励するメッセージが多く、また、「センスの良い女性になって男の子とデートし、ライバルと競い合って勝つ」ことの素晴らしさを訴えかけるメッセージを大量に受け取っています。

 世界で一番良く売れている人形バービーの世界では、おしゃれをして男の子と出掛ける格好いいティーンエイジャーでした。

 ローランドさんは、「そんなに早く成長し、競争し合わなくても良い」と思っている女性もたくさんいるし、多くの親もそう感じているはずだと考えました。

 また、そういう少女達は男の子よりも人形に興味があり、自分達と同じ生身の少女と同じ外見の人形を欲しがっているとローランドさんは確信しました。小学生になると欲しがる高級人形ですが、娘がその人形を欲しがると、親はそれをすんなりと認めてくれます。親や祖父母にとっての魅力は、アメリカン・ガールは礼儀正しさ、思いやり、多様性の尊重、そして大きな夢を大切にすることを考える教育的な人形の店であることです。

 アメリカン・ガールは、様々な時代に育った9歳の少女を主人公とするシリーズ本と読者の少女達がその物語に沿った遊びができるように歴史に忠実に再現した衣装や装飾品を身につけた主人公達の人形と物語を売る店です。

 人形のつくり込みは本格的です。

@髪の毛は植え付け方式でなく、「かつら方式」

A顔の表現はステンシル印刷(お人形に化粧する)

B上質の生地と手の込んだ裁断・縫製

C歴史に忠実な衣装は高級ファッション・デザイナーによって製作

Dデザイン面でも製品のつくりにおいても真の差別性を持ち、それが耐久性と言う性能と各世代にまたがる製品への思い入れを生み出す

 このような本格的につくり込まれた人形を基に、製品ではなく人形の時代背景のライフスタイルという物語を売っているのです。物語には信じられない程のパターンがあるそうです。

 上記の内容は、「なぜ高くても買ってしまうのか」(ダイヤモンド社 マイケル・J・シルバースタインとニール・フィスク共著)を参考にさせていただきました。

 この「アメリカン・ガール」のエデュケーション(教育)とエンターテインメント(楽しさ)が一体化した業態と似ている業態が日本にあります。それは「キッザニア」(こども向け職業体験型テーマパーク)です。

キッザニアの内容は次の通りです。

@こども達は、キッザニアで社会や職業、経済のしくみを楽しみながら身につけることができます。

A楽しく社会を体験できる「こどもが主役のこどもの街」がテーマで、エンターテインメントと教育が融合した「エデュテイメント」のコンセプトを打ち出しています。

Bこども達だけで体験し、楽しませる施設はこれまでなく、保護者はパビリオンでのアクティビティには参加できません。スーパーバイザーも指導や教えるのではなく、サポートすることを主眼に置いています。あくまでもこども達が自主的に考えて行動し、体験することを目的としています。

 アメリカン・ガールとキッザニアの共通点は次の通りです。

@アメリカン・ガールは、人形の持つ時代別のライフスタイルの体験の場であり、キッザニアもこども向けの職業体験の場です。

Aアメリカン・ガールもキッザニアも、エデュケーションとエンターテインメントを一体化した業態です。

Bアメリカン・ガールの人形のつくり込みもキッザニアのこどもの職業の体験の場のつくり込みも本格的で本物志向のつくりです。

Cアメリカン・ガールもキッザニアも、子供の支持だけでなく、親の支持の高い業態です。

Dアメリカン・ガールは、人形のライフスタイルを育てると言う反復性のある業態であり、また、キッザニアは、キッゾと言うマネーを発行して反復性(リピート)のある業態である。


 
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