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「アルダーウッドモールとライフスタイルセンター化

及びエンターテインメントセンター」

 

 

 

シアトルの郊外に「アルダーウッドモール」というRSCがあります。1979年にオープンし、1996年と2004年にリニューアルを行いました。1996年に第1回目のリニューアルを行いフードコート(800席)とカジュアルレストラン(グループ・テーブル対応のレストラン)が一体化した巨大飲食ゾーンを形成しました。2004年に第2回目のリニューアルを行い、このリニューアルが、現状の既存のアメリカのSCが時代対応する姿が見えます(六車流:流通理論)。

@2つの核要素の付加

 2004年のリニューアル前のアルダーウッドモールは、リース面積13万u、核店はメイシーズ、ノードストロム、JCペニー、シアーズの中の中グレードかつ、テナント数200店のどこにでもある平均的なRSCでした。いわゆる1980年代までの「ワンストップショッピング&コンパリゾンショッピング」という核要素のみを基軸とした従来型のRSCでした。1996年にフードコートを大幅に改修したとは言え、今風のRSCとしては希薄でした。そこで、2004年に2つの機能を付加するリニューアルを行いました。1つは「ザ・テラス」であり、野外オープンエリアでシネコンとレストランを導入し、アメリカにおける1990年代のSC開発のトレンドであるエンターテインメントセンターを核要素に加えました。もう1つは「ザ・ヴィレッジ」を創出し、オープンエアモールに35店舗のライフスタイルセンター(交流の場づくり)を核要素に加えました。この2つの機能の付加により、アルダーウッドモールは従来のRSCから、現代型のRSCへ脱皮しました。

Aザ・テラスとアルダーウッドモール本体との相乗効果

 ザ・テラスは外部エリアであり、アルダーウッドモールの本体とは回遊線上の機能的に一体化した場所にあり、シネコン(16スクリーン・4,800席)とトレンディな大型レストランで構成されています。シネコンとレストランには直接的な相乗効果がありますが、エンターテインメントと物販には必ずしも直接的な相乗効果はありません。SCにおいてエンターテインメント性は不可欠ですが、アミューズメント施設を中心とした過度なエンターテインメント化は「弄ばれ型SC」(日祝日は良いが平日はサッパリ、飲食は良いが物販は苦戦、客は喜んでいるがテナントとデベロッパーは不満な状態)になります。「目的性」(デスティネーション)のあるエンターテインメント施設(アルダーウッドモールでは、シネコンとトレンディな大型レストラン)と「場づくり」(スペースメイキング)と「回遊導線」の適正化を行えば、エンターテインメントゾーンは、客から見てもSC側(デベロッパーやテナント)から見ても、外部でゾーニングする方が適しています。アメリカでは、独自集客力のあるテナントはSCの外部に出店することを望んでいます。

Bザ・ヴィレッジとアルダーウッドモール本体との相乗効果

 ザ・ヴィレッジはアルダーウッドモール本体のエンクローズドモールとサーキット状の回遊線上に開発された「オープンエアモール」です。快適性の高いプロムナード型オープンエアモールに35店舗のライフスタイル志向のテナントを配置し、アルダーウッドモール本体のモールとハイブリッドモールを形成しています。従来型のアルダーウッドモールのエンクローズドモールは、ヤングやファミリーのカジュアルなニーズをターゲットにし、オープンエアモールは「ライフスタイルセンター」の位置づけで、シニアや中上グレードのニーズを落ち着きのある場(スペースメイキング)で提供しています。シニア層は、エンクローズドモールの広さ・長さやザワザワ感のある場を好みません。ライフスタイルセンターが熟年層に支持されている由縁はそこにあるわけです。熟年層は、孫や娘・息子夫婦とSCへ行く時はエンクローズドモールでランブリング型ショッピングをしますが、実際に自分自身が買うものが少ない状態です。これを2.5世代型SC(孫、両親の1.0と祖父母の0.5世代)と言いますが、オープンエアモールにライフスタイルセンターを付加することにより、熟年層も買うものがあるSCとなり、3.0世代型SC(孫、両親、祖父母の3.0世代)になることができます。

 以上のように、アルダーウッドモールは、ザ・テラスとザ・ヴィレッジをリニューアルにより付加することで、従来型SCから現代型SCに脱皮できました。


 
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